トップとの差もかなり縮まるも、あと残り半周ほどしかなくて。
頑張れば、いけそう。
けど…。
そこでまた、いつものあの感情になる。
頑張ったところで。
……どうせ。
頭が、真っ白になりかけたその時。
「猫くん……っ!!がんばれ―――っ!!!!!」
バカくさい。
なんであんたの声だけ、聞こえるんだろう。
いや、そんな大声出されたら、嫌でも耳に入ってくるか。
気づけばトップと並んでいて、ゴールテープに手を伸ばす。
……勝ちたい。
いつの間にか、そんな思いになっていた。
そして、先にゴールテープを切ったのは、俺だった。