「……」
猫くんは、隣で私が問題を解くところをじっと見ている。
なんだか監視をされているようで、変に緊張する。
「陽愛」
「はい」
「……バカなの?」
「ねえバカバカ言わないで」
だって、猫くんが隣にいるんだよ?
近すぎて、猫くんの息がかかって、ドキドキしてしかたないんだもん。
わかる問題も、途端にわからなくなっちゃう。
「なに、変なこと考えてるの?」
「へ、変なこと……って…?」
「あのさ、部屋に男と二人きりで……何も思わないの?」
「で、でも今は、勉強のじ……ん」
私がまだしゃべっているというのに。
猫くんは慣れたように自分の唇を重ねてきた。