「りほ、これどーやんの?」
席替えで席が近くになったながのひかるとは、よく喋るようになった。
向こうが普通に「りほ」って呼ぶから、あたしも自然と「ひかる」って呼ぶようになった。
「えー、ひかる、そんなのも分かんないの?りほなんてすぐ分かったよ」
「そりゃ、りほは頭いーからすぐ分かんだよ」
「あーそだね、ひかるバカだもんね」
「事実バカだけどりほに言われるとムカつく」
そう、ひかるは頭がいい方じゃなく、とくに算数になると人一倍落ちこぼれだった。
「まぁいいし。次体育だから、それ楽しみにこの授業乗り切るから」
頭脳は落ちこぼれなひかるだけど、運動神経はとても良かった。
それと比べてあたしは、運動神経はお世辞にもいいとは言えなかった。