そんな何も無い毎日が幾度となく続き、あっという間に残暑も無くなっていった。
木々が赤や黄色に色づき始める、10月中旬。
「ねぇりほちゃん…」
ののちゃんと一緒に登校してるとき、ののちゃんは急に真剣な声でそう言った。
「んー?何ー?」
「わ、私…彼氏が出来た…」
…
「へっ?は?え?は?え、どゆこと?」
何も頭に入ってこなくて、いや、頭には入ってきたはずなんだけど衝撃すぎて処理しきれない。
「だから、そのまんまの意味」
「え?誰?誰!!」
ののちゃんは、カーッと頬を赤く染めた。
「卓球部の…」
小さな声で男子の名前を言うと、今にも燃えそうなくらい真っ赤になっていた。
そいつはいつもあたしと絡んでる奴で、だけどののちゃんのことを好きだなんて少しも感じなかった。
「はぁ!?え?なんで??」
「告られた、で、私も好きだった」
「はぁ??」
あたしは驚きすぎてもう何も言えない。
そんな様子、全然無かったのに。
ののちゃんも、ののちゃんの彼氏の方も。