2人はいつも授業中喋ってて、2人が視界に入るのが嫌になってくる。
夏休み、なんであたしはあんなこと言ったんだろう。
今では葉月と普通に話せるようになったし、まだちょっと葉月と光瑠が遊んだっていう事実を思い出したりもするけど、楽しく喋ったりもしてる。
あのときは、葉月と光瑠が遊んだ次の日だからって。
心に引っかかっていたものがあったのか、自分でもよく分からない。
ただ、今としては後悔しかない。
なんであんなこと言ったんだろう。
あのときのあたしは、正常ないつものあたしじゃなかった。
──「では、この問題を藤田さん」
なんで、もうなんでしか思わない。
あたしは後悔しかしてない。
もう嫌だよ、なにやってんの…。
「梨帆、お前当てられてるけど」
「へっ?」
藍に言われて先生の方を見ると、あたしとバッチリ目が合った。
…当てられてると言われても、聞いてなかったからどの問題かすら分からない。
「あ、えーっと…」
「問1ですよ、早く」
先生が親切にも問題を言ってくれる。
しかも問1、超簡単。
「y=15の場合、X=9」
「はい、座っていいですよ」