──「ひーちゃん!どーだった?結果!」
あたしはテストの結果が発表されたあと、すぐひーちゃんがいる2組に向かった。
ひーちゃんは6年のころから頭が良くて、どうしても気になった。
「りーちゃん…!りーちゃんは?何位だったの?」
「あたし?あたしは…5位だよ」
初のテストで、5位は良かったと思う。
学年80人くらいしかいないけれど、それでも5位は周りからすごいと賞賛された。
「ひよはねぇ…3位だった」
「え!ひーちゃんすごいね!おめでとう!!」
素直に、とてもすごいと思った。
3位ってことは、表彰台あがれるじゃん!!
学年5位らしくない、とても馬鹿げた感想。
「てか、あたしとひーちゃんのあいだの4位の人って誰なんだろー。知ってる?」
「あ、知ってるよ。ひよのクラスの人」
「え、誰ー?」
「りーちゃん知ってるか分かんないけど、河田翔真(カワタショウマ)って人だよー」
「…誰それ。知らない」
「あはは、違う小学校だもん」
「へぇー」
河田翔真って奴になんて、これっぽっちも興味は無かった。
あたしが河田翔真に興味を持つようになるのは、あと1年、先の話。