教室に入ると、同じ小学校出身同士で集まっていた。
当たり前だけど初めて顔を見る人が多くいた。
あたしは自分の席を探す。
…光瑠の席もついでに探す。
光瑠の隣に座って仲良くなる人がいるのは当然なんだけど、それが女の子であって欲しくないなって思う。
相変わらずあたしの世界は光瑠中心なんだなぁ…。
「あ、あった」
光瑠の席と、自分の席を、同時に見つける。
ついでに藍の席も。
…ということは。
光瑠、あたし、藍。
の順に横並びになっていた。
そこにカバンを置いて、1人で座ってるののちゃんの所に向かった。
「のーのちゃんっ、りほ、ののちゃんと同じクラス〜。1年間よろしく!」
なんて1年間独りにならない予防線を張っておいた。
性格悪いのは分かってるけど、独りになったらせっかくのJCライフが無駄になっちゃう。
「梨帆ちゃん…、よろしくね!」
ののちゃんは5、6年のとき、あたしとひーちゃんと離れちゃってずっと独りでいたらしい。
6-1だった仲良い子に聞いた話。
「あ、また梨帆同じクラスじゃん。またよろしくなー」
隣に座った光瑠が言う。
「げっ…。7年目かよ…」
藍もいつの間にか来ていたらしくて、あたしの姿を見るなり嫌そうに言った。
「りほも藍と7年間同じクラスなんて嫌だし!まぁふたりともよろしくー」
光瑠と藍と喋ってると、教室のドアが開いた。
「皆さん席について下さーい」
女の若い先生が教室に入ってくる。
「1年1組担任になりました、よろしくお願いします」
新しくこの中学に来た、新任の先生らしい。
「じゃあひと通り自己紹介は終わりましたが、質問のある人はいますかー」
なんてお決まりのセリフを言うと、
「彼氏はいますかー?」
お決まりのセリフが返っていく。
それを言ったのは光瑠。
周りから注目されて、
「あの人、どこ小だろ」
「カッコイイね〜」
なんて声があちこちから聞こえた。
それが嫌で。
「光瑠、何言ってんの」
光瑠に話しかけて、光瑠はあたしと仲良いって言うアピールをした。