それからの毎日は、本当に楽しかった。
休日なんて無くていいと、本気で思った。
12月中旬。
あおとはづきが、クラブ活動ごとの卒業アルバムの写真撮りであたしとひかるの2人きりで昼休みを過ごしていた。
校庭にあるジャングルジムで、2人並んで話をした。
他愛のない話から始まって、段々恋バナに変わってく。
「ひかるはさー、好きな人いるの?」
「は?なんで、りほは?」
ひかるだよ、なんて言ったらどんな顔するかな。
「さぁーどーでしょー」
「ずるっ」
手と手の距離が、あとちょっと。
あと、10cm…。
──キーンコーンカーンコーン…
「おっ、昼休み終わりだ」
そう言ってひかるは、ジャングルジムから飛び降りる。
髪の毛が風に浮いて、輝いた。
一瞬空を飛んでるかと思うほど、格好よかった。
…地面は遠い。
「…っ!」
「は?りほ!?」
下降する。
あたしはひかるが飛び降りた位置から、飛び降りた。
「っと」
上手く着地出来たと思ったけど。
ひかるが支えてくれていた。
それでもすぐ離れちゃって。
あと、5cm──。