次の日、あたしはとても早く学校についた。
「めっちゃ早いね」
同じ登校班の、仲のいいひとつ年上の子と笑いながら教室に向かう。
──まだ誰もいないと思って入った教室には…
ひかるがいた。
「ひ、ひかる…おはよ」
あたしは久しぶりにひかると喋るからか、すごい緊張した。
「りほ。おはよ」
あたしとひかるの間に沈黙が流れる。
気まずい沈黙はひかるが破ってくれた。
「おれさ、」
「ん?」
「…昨日りほがいなくてさみしかった。このまま2人きりがいーのにね」
さみしかった…?
2人きりが、いーのにね…?
あたしは理解しきれなくてなにも言えない。
「おはよー」
そんなときに、クラスメートが教室に入ってきた。
「「おはよ」」
ひかるとハモって恥ずかしくなる。
それからどんどん人が来て、ひかるとはそれ以上喋らなかった。
ひかるとの距離が開いていく。
それでもあたしは、なぜか、なぜか…
ひかるを目で追っていた。
自分でも分からない行動に戸惑いながら終わった、4年生。
春休みが終わったら、あたしは5年生になる。