その気持ちが私を醜い姿にしていく。

なんでおねぇちゃんとなの?

なんで私じゃないの?

おねぇちゃんより先に私が生まれていたら私が海里の隣にいた?

そんな汚い気持ちが私の心を支配していく。

「おいおいおい。泣くなよ。お前が海里の事諦めきれないのは、お前がまだ海里に自分の気持ちを伝えていないからだ。」

海斗は、ゆっくり私の涙を拭きながら言った。

「海斗は、海里とおねぇちゃんが結婚するの心から祝福できる!?1度は好きだった相手だよ?私は、私は。。。」

「そんなことは、海里に気持ちを伝えてちゃんと振られたら分かるよ!とりあえず今は式場に向かう準備しろ!いいな!?」

5分後。海斗のお父さんと式場へ向かった。

小さな声で海斗が私に話しかけてきた。

「葵。いいか?俺は香織さんの部屋に先に行って、時間稼ぎしとくからお前はちゃんと海里に気持ち伝えてこい。大丈夫。お前が考えているほど俺のにぃちゃんは頭悪くないから。」

海斗は、私のために計画を練ってくれた。

ほんとに感謝しないといけない。

「海斗。いろいろありがと。ほんとにありがと。」

「おう。そろそろ着くぞ。」

海斗は、照れくさそうに言った。