園田とは高校で知り合ったから私との関係なんてたかが1年と3か月くらい。

血液型や誕生日はなんとなく知ってるけど、園田について分かることと言えば運動神経がよくて面倒だと言いながらも休まずに学校に来るぐらい。


そんな園田が偏頭痛持ちだって嘘をついて保健室に通ってたこと。保健室の扉を開ける時はちょっと緊張してて、たまに咳払いして声が正常に出るか確認してたこと。

そんな可愛いことをしてたくせに白々しく先生のことなんて知らないって言う園田に胸がチクリとうずく。


『つーかさ、さっきからなにが言いたいの?』

焦れったいのは私も同じ。

だからそんな私を見て園田が怖い顔をしてる。

綺麗な顔の人ほど怒らせるとヤバいって言うのは本当だな。でもそんな強い目をした園田の瞳を反らしたくない。


『先生のこと好きだったんでしょ』

『誰があんなババア』

『園田がそんなに一途だって知らなかった』

『は?勝手なことばっか言ってんじゃねーよ』


グッと腕を掴まれて、また園田が強い目で私を見る。

その大きい手が私の手首を痛いくらい離してくれなくて、加減が分からないくらい動揺して余裕がないんだと思ったら、また胸がチクリとした。

そして……。