「…話逸らすなよ。…華子なら俺らのところにいる。…あと恵も。」
『…イケメンさん、イケメンさん、兄と同じくらいイケメンですよ。』
「…んなのどうでもいいだろ。…行くんだろ。」
『あ、はい!…あれ、もう名前呼びなんですかあのふたり!早いですね!』
「…ハァ。」
『…あの。』
「…なんだ。」
『…歌ってたこと言わないでくださいね。』
「……。ここ。」
ガチャ
「だからそれ俺のだってば!!!」
「寝るなら仮眠室行け!」
『…なんかとても賑やかですね。』
「……おい。」
「陣。おかえ…り…Zzz…。」
「…珍しく女の子といるね。」
「あ!緋代〜!!!!」
「なんだ?華子と恵の知り合いか?」
『…い。』
「何ー?」
『なんですかこれ凄く汚い!!!』
「…第一声がそれ…。」
『…お節介モードONです!』
「あらら…まあしょうがないか。だいぶ散らかってるもんね。」
「恵〜、あの子誰?可愛いね!!」
「七葉緋代。私達の親友よ。…頭もいいし運動もそれなりに出来る。優しいし、気遣いも出来るし家事全般もこなす。…そりゃ学校でもモテてるね。」
「女の子から虐められそうだな。」
「ところがどっこい。働き者だし誰に対しても優しいし健気に弟や妹の世話をする姿に女子全員号泣よ。まあ一時期イジメはあったけど、学校で家計簿でうんぬん言っていた姿に虐めてた女子はもう即ゴメンなさいだよ。」
「…そうなのか。俺にも下が二人いるからな。大変だろ。」