考えても答えが出ないことはもう知っている。



さあ、掃除をしようか。






一つ、手を叩いて気合を入れて掃除に取り掛かる。



家は彼の落ち着く場所であって欲しい、
結婚当初からの願いは未だに変わっていない。


掃除は手を抜かずに細かいところまでしっかり。


家にいて不自由なことがないように。
帰ってきたい場所になるように。



お風呂、トイレは更に力を入れる。
やっぱりいつでも気を抜ける場所であって欲しいなあ、なんて。


家にいる時間も短い彼には
そんなこと関係ないかもしれないけれど。





心の痛みは消えないまま
彼を思いながらまずは一仕事を終えた。