――カチャ
おばさんから預かった合鍵で玄関を開けた私は、入ってすぐの斗真の部屋のドアに手を掛けた。
やっぱりまだ寝てる。

「斗真。起きて」

勢いよく布団に包まっている斗真の上にダイブした。

「おぇっ!」

虫が潰れたみたいな悲鳴を上げた斗真が布団から顔を出した。

「あっ、やっと起きた」
「麻友。てめぇ…」
「斗真おはよう」
「おはよう…じゃねぇ!!」
「もう、斗真のねぼすけさん」

怒りを露わにする斗真の唇に人差し指を押し当てた。

「殿、目覚めのキスはいかがですか?」
「…ッ、いらねぇ…」
「遠慮なんかせずに、ほら」
「してな…ッ…」

有無を言わさず斗真の頬に軽くキスをした。

頬を掻きながら照れ笑いを浮かべた私に、
「…ったく、しょうがねぇな…」
頭を掻きながらベッドから起き上がった。