「…でも悪いですよ。こんな高級そうな傘を」


「いや、いいんだ。使われずにただ杖になっているよりも傘も喜ぶだろう」


「しかし…」


「遅くなるとまたおばさんに心配かけてしまうのでは?」


「そうだ!!」



結局何度も御礼を言って傘を頂いた。


とても丈夫そうで立派な黒い傘だ。


僕は走って民宿に帰った。