「それはそうとお前、仕事はどうした?」              「信頼出来る後輩に任せて来ました。」               「…ぶァっかヤロウ!!」                                耳を塞ぐタイミングが少し遅れてしまった…

頭がキンキンする。

キッチンの方では物が落ちる音がした。


きっとあの黒い猫がロイドさんの声にびっくりして落としてしまったのだろう。


しかしリックさんは慣れているのか微動だにしなかった。




「オヤっさん。僕は本気です。」


「そんな事言ったってお前、病院にいる妹はどうするんだよ?」


「…妹に、リリーに言われて来たんです。」



「リリーは元気だった頃からレイラちゃんに可愛いがってもらって…病気になってからもよくお見舞いに来てくれてるって…」


「だから…絶対にレイラちゃんを助け出して欲しいと言われて来たんです。」