次の日、僕が起きた頃にはロイドさんはいなかった。

夢にレイラが出て来たような気がするけど覚えていない。

昨日の事も夢であれば良いのに、と思ったが鮮明に記憶として残っていた。


外は昨日の雨も止み、朝日が光っていた。

           雨といえば、昨日民宿を片付けている時におじいさんからもらった黒い傘が見当たらなかった事を思い出した。

「工場の人の誰かが間違えて持っていっちゃったのかなぁ?…帰そうと思っていたのに」






「ニャー」


…ん?


良くみると民宿のキッチンで黒い猫が昨日のレイラの落ちてしまった料理をあさっていた。


「お前…どっから入ったの?」


「ニャー、ニャー」


「フフフ、美味しいだろ?なんてっいったって世界一の残飯だからな!」