「使う色決まってんの?」


「うん!デザインはある程度決めたから……」


この間、旗のデザインを決めようってクラスで話した時も、結局みんなから案をもらうことはできなくて。担任の先生には、実行委員が好きなように決めてくれていいなんて言われて。


実行委員って言ったって、真壁くんはなにもやらないし。私が1人決めることになった。


「お前さ……」


「あ、実は飯田の描いたデザイン参考にさせてもらったんだ。ちゃんと描いてくれてたの飯田ぐらいだったし!まじで助かりましたぁ」


私は、目の前でパチンと手を合わせて彼にお礼を言う。でも、なんだか飯田はまだ不服そうだ。



「はぁ……お前さ、もっとちゃんと自分の気持ち話してもいいんじゃね。ビクビクしてるのは他の奴らにも伝わるし、真壁みたくいいように使われるぞ」



「……っ」



心臓がズキンと痛む。
わかってることを言われて、それでもできない自分がいることに情けなくなった。