「うん、そうだね柚月。これからも……ずっと、一緒にいられるんだよね」

「もちろんだよ! どうしたの、今更?」

「……ただ、嬉しくて。それだけ」


ちょっと泣きそうになっている彼方は、そのまま「じゃあ行こっか」と、まだ繋がれていた手をキュッと握り直した。

まるで、もう絶対に離さないとでも言うように。


「いやいやいや、行こっかじゃないよ一色クン! 僕たちを置いていく気かい!?」

「鬼龍院司、あなたはそこで這いつくばってればいいじゃない。その間にわたしは柚月さんの隣を……」

「抜け駆けはずるいぞ月城クン!!」

「ぎゃー!! 今わたしに触ったわね!? この変態!!」

「君のような傲慢で上から目線で素直じゃなくて天邪鬼で色気のない女子なんて一切の興味がないから安心したまえ!」

「絶対に許さないわこの男」


キーキーと喧嘩が始まってしまい、彼方はまた呆れたようにため息をついたのだった。