ここまで来るのに、どれほどの時間がかかったのだろう。
「……私、ね、最初、彼方に告白された時、一番に思ったのは『幼馴染みの関係を壊したくない』ってことだった」
前に進むのが怖かった。
「居場所を失いたくなかった。ただそれだけだった」
彼方に置いていかれるのも怖かった。
「でも、今はもう違うの」
隣にずっといて欲しいと思った。
でももう違う。隣にいるだけじゃ、もう私は満足できないから。
「居場所なんていらないから、私は、彼方の全部が欲しい」
こんな欲張りな私を、どうか許してね。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…