「さて、これも最後のミーティングになるだろうな。宜しく頼む」


鬼龍院くんのそんな言葉で、最後のミーティングは始まった。


鬼龍院くんが放課後にしか時間がとれないということで、机をひっつけて静かな教室で、当日の予定を順番に確認していく。

なんだか放課後の教室にこの三人でいる光景が、ひどく懐かしく感じた。



……あの後、彼方と私はいつもどおり家に帰った。


私が泣いたことに特に触れることはなく、いつもどおり……そう、いつもどおりだ。


なにも問題はない。いつもどおりの日々。

これでいいんだ。

これで……



「……君たち、もしかしてなにかあったかい?」

「……え?」


鬼龍院くんの質問に、ドキリと胸が鳴る。


「べ、別になにもないよ鬼龍院くん!」

「近衛クン、僕は君が好きなんだ。君の様子がおかしいというぐらい、常に君のことを見ている僕にとって嫌でも分かることなんだよ」

「鬼龍院くん……っ」