───そうして、私が彼を好きになることに、あまり時間はかからなかった



日常の中で、気が付けば彼を探していて、見つけた時には胸が高鳴った


彼は人気者で、彼の周りにはいつも沢山の人がいるから、彼の目にとまるように可愛くなる努力をした


疎くてよく分からなかったオシャレも、頑張って勉強した



……そして何より、彼のことをもっと知りたいと思った


たとえ些細なことでも、好きな人のことだから、何でも知りたいと思った



だから、気付いてしまったんだ


彼の笑顔が、心から笑っている〝それ〟じゃないってことに


偽りの〝それ〟だってことに……