私の初恋は、始発前の春の暁の下で終わった。
──閉まるドアにご注意ください
アナウンスが流れる。
みんな、溢れる涙が止まらない。
「悠太っまたなっ!!」
「お金貯めてすぐ会いに行くから!」
「今までありがとう!」
みんなが口々に悠太に叫ぶ中、私は何を伝えたらいいのかわからなかった。
悠「綾音っ!またなっ!!」
そんな時、悠太が言った。
そう言われると、私が答えられるのはこれしかない。
「悠太っ!またね!!」
『電車、発車しまーす』
電車の扉が閉まり、ホームから離れて行った。
私はそれを追いかけることなく、その場で涙を流した。