周りの観光客が日の出の写真を撮る中、私たちの時は止まったようだった。
頭が真っ白になって、何も考えられない。
悠「……最近先生によく呼ばれてたのも、進路票見せなかったのも、それで。ずっと綾音と一緒だと思ってて、だから俺……どうしたらいいか分からなくて……ごめん、泣いたりして……」
悠太はそう言ってその場にしゃがみ込んだ。
周りの観光客が何事かとざわつくのがわかった。
私は、その悠太を抱き締めながら背中をさすった。
「悠太、教えてくれてありがとう……辛いのにっ……ありがとう……」
私たちは泣きながら後ろのベンチに座って抱き合った。
「ないてるー」
と、どこかの小さい子が言うのが聞こえた。