「あのー、失礼します。」



コンピューター室に戻り、僕は橘兄妹に儲かった4000円の半分の2000円を渡した。



「まさか、あんなにすぐに売れるとは思わなかったよ。いやあ、すまないね。」



「いえいえ。では、これにて。」



僕はコンピューター室を後にして、部室に戻った。



部室には、部長と桂がいて、桂が僕の顔を見るなり、血相を変えて駆け寄って来た。



「お、お前、売った? 『天上天下唯我独尊』の絵、古田さんに売った?」



ああ、あの絵。そして、あのヤンキーか。