「うーん……わかりました。では、こうしましょう。僕、その絵を２０００円で預かります。それで売れたら、儲かった分の半分を手間賃としてマーケット部でもらいます。で、残りの半分は、あなた方にお渡しすることにします。それで、どうでしょうか？」



「いや、そんなことしなくても、２０００円で買ってくれるだけでいいんだ。」



「いやいや、そういうことにしてくれないと、買えません。なんせ、おばあさんの形見ですからね。どうします？　それでいいですか？」



兄妹は僕の提案にしばらく考えた後、お釈迦様の絵を僕に差し出した。



「……すまない。」



僕は、２０００円を兄の方に渡して、それから買取の証明としてサインをもらった。



「橘 太郎（たちばな たろう）さんですね？」