「はい、これあげます。」
「何ですか？ この風呂敷は……。」
「お金です。中に５００万入ってます。これ持って帰ってください。」
「で、でも、そのお金は、キミの大事なものじゃ？」
「大事ですよ。そのお金がないと、立川円って従姉をすくえないんですから。私は、立川円って人を救うために、先輩から５００万借りてきたんです。でも、あなたが５００万ないと死ぬって言うんなら……あげますよ！」
「いいですよ、そんなお金……。」
「ええーい！ いいから、持って帰れ！」
私は、風呂敷を男の人めがけて思いっきりぶん投げて、それから思いっきりダッシュしてその場を離れた。
ああ、５００万……５００万が……。
