「じゃあ、そういうわけで。」
籠を担いで、帰ろうとすると、林に止められた。
「ちょっと待て。写真部はどこだ?」
「写真部ですか? 写真部は、西棟の2階のトイレの横が部室です。」
「よし、じゃあそこに行って香典の催促をしてこい。」
「香典? まさか、まむしのですか?」
「そうだ。あいつらには、ネコやら犬やらの写真を撮らせてやってるんだ。まむしが死んだので、香典をください。そう言ってこい!」
「……なんで、オレがそんなことを。自分で行ってくればいいじゃないですか!」
「オレは、しばらく生物研究部に顔を出していないんだ。だから、お前が行ってこい!」
……クソッ。こうなったら、行くって言って逃げるか。
「わかりました。行ってきますよ。」
「よし、あ、ちょっと待て! その担いでいる籠を置いて行け!」
「い、いや、これは商売道具ですので……。」
「いいからいいから。これは、オレが預かっておいてやる。さあ、行け!」