よーく見てみると、なるほど確かに死んでいるようだ。
「まさか、この死んだまむしを買えって言うんじゃないですよね?」
「さすがにそんなことはしねーよ。久しぶりに生物研究部に顔出してみたら、飼ってたまむしが死んでたんだ。部員で可愛がってたまむしだ。オレも知らんぷりはできねえ。そこで、弔ってやろうと思うんだが、金がなくて困ってるんだ。」
「はあ。それで?」
「だから、ここにあるものは、何でも売るから、値よく買ってくれ!」
「はあ。そういうことでしたら、無理ですね。」
「無理? どういうことだ?」
「使えそうなものがないんですよ。」