「そうだ、半次。就職祝いに酒でも飲んだらどうだい?」



「酒? オレ、未成年だぜ?」



「まあ、たまにはいいじゃないか。買っておいたんだよ。」



そう言って、母ちゃんは日本酒をお猪口に注いだ。



「さあ、飲みな。」



「……そうか? それなら……。」



……。



「いや、オレ、やっぱり飲むの止すよ。」



「どうしてだい?」



「これがまた夢になるといけねえ。」