「ど、どうしたの? 学校でケンカでもしたの?」
「そ、そうじゃないんだよ! 学校に行く電車に乗ってたんだ。そしたら、横浜駅で電車が止まってさ。バス停に行く前にトイレに行こうとしたら、風呂敷が落ちてたんだ。見ると、札束だ。オレ、慌ててそれを懐に仕舞って、横浜駅から走って帰って来たんだ。」
「ま、まあ……それじゃあ、今、そのお金があるの?」
「そうなんだ、見てくれ! ほら、な? これだ。」
「まあ、札束じゃない! いくらあるの?」
「ちょ、ちょっと待てよ。数えるから……ちゅうちゅうたこかいな、ちゅうちゅうたこ……。」
あれ?
「も、もう一度……ちゅうちゅうたこかいな、ちゅうちゅうたこ……。」