「へ!? お父さんだったんですか! 通りで親子で絵が上手いはずですね!」



「実は、ワシは家出をしてな。昨日20年ぶりに父から連絡があったのだ。今日は、父の家に行く途中に寄ったのだ。しかし……。」



おじさんが急に涙を流し始めた。



「ど、どうしたんですか?」



「ワシは、ワシは……本当に親不孝者だ……。」



「そ、そんなことないですよ! こんな壁から抜け出るインコを描けるなんて、立派ですよ、おじさんは!」



「そうじゃない。その証拠に、壁を見てみろ。ワシは、父に端(恥)を描(掻)かせてしまった。」