「わかんない。」



「わかんないじゃないわよ! どうするの?」



「どうするのって……。」



考えてもみなかったけど、よくよく考えればわかることだ。



あのボロボロの格好。しかも、長い間お風呂に入っていなかったであろうあのギトギトの髪。



お金を持っていない人の典型的な姿だ。



「ど、どうしよう……。」



「遊美、あんたとりあえず、あのおじさんからお酒の代金だけでも貰ってきなさい。」



「で、でもどうやって?」



「そうねえ……。『お酒を買うお金を肩代わりしてきましたが、店のお金が底をついたので、すみませんが、お酒代として、5万円ほど先に出してもらえますか?』って言ってきな。」



「む、無理だよ! そんな、おじさんを疑うようなこと……。」



でも、円お姉ちゃんは、一度言い出したら絶対に聞かない。