ただ、このおじさん、お酒をずっと飲んでは寝て、飲んでは寝てで、ろくに外へも出ない。



そんな日が1週間ほど続いたある日の朝、円お姉ちゃんに呼ばれた。



「何? 呼び込み? それなら大丈夫だよ。あのおじさんがたくさんお酒飲んでくれるから、儲かるし。」



「そう、それなのよ! 確かに儲かるけど、お金はあのおじさんが宿を出てからじゃないと入って来ないのよ。」



あ、そう言えばそうだ。



「じゃあ、お金足りないの?」



「足りない。今は、雀が出してくれてるからいいんだけど。」



「なら、問題ないじゃん。」



「そうじゃなくて、あのおじさん、本当にお金持ってるの?」



……。