しかし、その鈴村さんが30分経っても帰って来ない。
「……遅い。コーラくらい、すぐに買えるだろうに。」
おじさんは、貧乏揺すりをしていて、今にも帰ると言わんばかりに、苛立っていた。
「円お姉ちゃん……。」
「大丈夫よ。鈴村はきっと帰って来るわ。あいつは、犬より忠犬だから。」
その言葉通り、1時間ほどして、鈴村さんがスーパーの袋を引っ提げて帰って来た。
「すみませんね、遅くなりまして。」
「まったくだ! さあ、早速だが始めてもらおうか。日が沈んでは、ワシは泊るところがなくなる。」
「心配しなくても、あなたはここに泊まることになりますよ。何故なら、僕はこのコーラを全部飲み切るんですから。」
そう言って、鈴村さんは1、5リットルのペットボトルのコーラを、ラッパ飲みし始めた。