「遊美……あんた、どういうつもりなの?」



円お姉ちゃんは、怒るのをやめた代わりに、呆れた。



「なんか、このおじさん、いっぱいお酒を飲む人らしくて……。」



「そうだとも。」おじさんが口を挟んだ。



「日に3升の酒を飲む。朝1升、昼1升、晩1升だ。」



つまり、1日で1升瓶を3本も空けるってことだ。



「ワシは酒の相手ができるヤツが欲しいのだ。しかし、ここには未成年しかいないと訊く。さすがに、未成年に酒を飲ますわけにはいかない。そこで、この中の誰でもいい。炭酸飲料を3升……いや、1、5リットルを3本飲めるヤツがいれば、泊ってやる。どうだ?」



「……というわけなの。円お姉ちゃん、1、5リットル3本飲める?」



「飲めるわけないでしょ! 飲めたらそれはもう、バケモノよ!」



やっぱり1、5リットルを3本も飲める人なんて……。



そう思ったその時、意外な人物が静かに手を挙げた。



「僕が飲みましょう。」



なんと、鈴村さんだ。