「円お姉ちゃん! お客さん一名! 条件付きだけど。」
「何よ、条件付きって。」
「それが……。」
おじさんは、勝手に店に上がり込み、靴を脱いだ。
「はあ……なんか久しぶりに靴を脱いだ気がするぞ。おーい、足を拭くものはないか?」
なんて、図々しいんだろうか、この人……。
「ちょっと、遊美! これ、どういうこと?」
円お姉ちゃんに耳を引っ張られた。
「だって、条件付きなら泊まってくれるって……。」
「その条件って何よ!?」
「それは……。」
足の裏を雑巾で拭くおじさんと目が合った。
「ああ、そうだった。ワシはまだ客じゃない。これから、賭けをして、お前たちが勝てば、ここに泊まってやろう。」