私は円お姉ちゃんに会ったことで、安心して、飛び込む気が完全に失せていた。



「円お姉ちゃん、私この先どうしたらいいのかな……もうわかんないよ。」



「知るか、ボケ! 自分の人生なんだから、自分で決めなさいよ!」



ボケまで言うかね……。



「まあでも、人間、死のうってところまでいけば、何か目標がないと生きていけないのもわかるわね。」



「目標? 今の目標はとりあえず、ご飯食べることかな……。」



「今の目標なんか誰も訊いてないわよ! はあ、まあいいわ。あんた、どうせ帰れないだろうから、うちに来なさい。うっかり死のうとしたところ止めちゃったことだし。」



「円お姉ちゃん……ありがとう!」



「その代わりいい? なんでも言うこと訊くのよ?」



「訊く訊く! なんでも訊く! もう、円お姉ちゃん、大好き!」



こうして、私は円お姉ちゃんの家にしばらくの間、厄介になることになりました。