次第に雲行きが怪しくなって、やがて雨が降り始めた。 階段を諦めて、傘もささず、あてもなく夜の道を歩き続けた。 お金もない。行く当てもない。スマホの充電もない。 もうどうすればいいのかわからない。 人間、気持ちが沈むと、坂を下って行くらしい。公園からどんどん下って、気が付くと、橋の真ん中に立っていた。 濁った水が轟々と音を立てて、流れている。