3人は指定された都内のとある研究室に白衣を着てやってきた。

国から呼ばれた研究室は地下深くにあり、自分達同様に全国から集められた科学者、研究員が数百人おり、まるで何かにとりつかれたように寡黙に黙々と研究を進めていた。

そして3人が案内された最下層のもっとも深い研究室にそれは

【6体】そこに安置されていた。

1人につき1つのガラスの水槽が用意され液体で満タンにされてるその中に男子の子供、しかもそのうち2体は見た目は人間のままだが他の4体は
角が生えたり牙や爪、鱗、羽、ヒレがある。

ゴポゴポと管から水槽のなかに空気が常時送られている。

そこで初めて国は動植物遺伝子と人間の遺伝子を掛け合わせて新たな生物兵器を作る実験をしていることを聞かされる。

子供たちは数字で呼ばれ

ゼロ
ファースト
セカンド
そして1つの個体から2つに分かれた同じ水槽にいるサード、フォース
ファイブ
シックス


ちょうど龍司、七緒、秀一がやって来た日、ファイブ、シックスの

失敗作と呼ばれる子供達の破棄される日だった。

ファイブは仮面をつけていた。すでに研究に携わってる研究員からファイヴは目がうまく生成されなく1つの目でおぞましいからつけられたといった。

シックスは下半身が魚であり唯一の肌が小麦色。さながら人魚。

破棄理由は見た目が人間になれなかったから。後にキツネの耳と尻尾を持つサード、フォース、角が生えたセカンドも破棄されることを聞く

そしてゼロ、ファースト

人間の形を保ったまま超人的能力をもったこの2体だけ、実験を進め最終的に今後もし戦争が起きたら他国へのスパイ、兵器として利用されることを3人は知った。


目の前で生命維持装置を外されるファイヴとシックス、水槽のなかの水が抜かれると最初に下半身が魚のシックスが浜辺に打ち上げられた魚のように苦しみ、しばらくすると動かなくなった。
ファイヴもまた、苦しみもがき、しばらくすると動かなくなった。

動かなくなった2体は担架に乗せられて研究員たちに運ばれる。
3人は唖然とそれを見ていることしか出来なかった。


3人に用意された部屋に戻り3人だけになると、秀一が静かに口を開く。


『実験で生まれた子供たちを助けよう。』

今はまだ、生命維持装置を外したら生きていけないから外しても生きて行けるようになったら、せめてゼロとファーストだけでも助けよう。

秀一の言葉に七緒と龍司は頷いた。

生命維持装置を外れても生きていけるようになるまで3人は研究を進めた。その間に、サード、フォースの処分、セカンドの処分。

それを止めることが出来ず、担架に動かなくなったその個体が乗せられ運ばれていき、3人だけになると七緒はこらえていた涙を流し龍司にすがる。龍司は七緒抱きしめ、秀一も下唇を噛んだ。


数ヶ月が過ぎて、ゼロとファーストは生命維持装置を外し、水槽からでても生けていけるまでになった。

二人の男児に用意された服は真っ白の上下スーツの長袖とズボン。


『素晴らしい!この2体はDNA、臓器、血液、外見、全て普通の人間と全く同じなのに兵器としての能力、優れた知能だけ加わっている!完璧な成功品だ!』

研究員の誰かが言った。研究員たちが歓喜するなか、3人は暗い顔をし、そしてその日の夜。

ゼロとファースト


後に桜木学、桜木零となる二人を研究室から連れ出し、脱走したのであった。

その後、零を連れて秀一はアメリカに、学は龍司と七緒のもとで育てられるのであった。