「それだけだったら良かったんだけど…」



鈴のように可愛らしい声が部屋の中に響き渡る


私は窓の外を見た


空は赤く染まっている


思い出す前の私なら『綺麗な夕焼けふ空ね、この空をバックにこの宇宙一の美少女である私を撮りなさい』とか言ったのだろう


たがしかし、今は不気味だとしか思えなかった


鈍い痛みが走る頭を押さえる


この頭痛は頭を打ったせいだろうか、それとも非現実的で膨大な情報量に対してだろうか


はたまたどちらも原因なのか


そんなことを思いつつ、私は今までの記憶の整理からあまり目を向けたくなかった非現実的な情報を整理し始めた