その瞬間、世界が回った
「えっ…」
目の前の男の子から可愛らしい声が聞こえる
男の子は驚いているせいか、まんまるで可愛らしい目を大きくさせる
そりゃそうか
私だって目の前でこんなことされたら同じ反応する
でも言い訳をさせてほしい
こんなことになるとは思わなくて事前に対策なんてしていなかった
というか、想像すらしてなかった
きっと目の前の男の子だって、今の私の状態に陥ったら私のようになるはずだよ
考えすぎて知恵熱が出るように、たくさんの情報を一気に与えられたら混乱して目眩がしてもおかしくない
それがまだ、私が一瞬で受け入れられるものだったら良い
だけどね
いきなり自分が今まで生きていた世界が少女漫画だったなんて情報、受け入れられる訳がないだろー!!!
そう心の中で叫んで私は意識を手放した
ゴンッと鈍い音が聞こえた気がした