あの夜の彼だった



私は驚きで言葉も出ない

どうやらあっちはまだ気づいてないようで

「よし、全員いるな〜」
とか呑気に教室を見回してる

「俺はみんなの担任だから!よろしく!」
テキトーに挨拶すると、出欠をとりはじめた

あいうえお順で呼ばれてく
私は真ん中らへん

初めての出欠だからか、1人1人の顔をじっくりと見て覚えようとする彼




あと1人...


そして私の名前が呼ばれた


「はい...」
震える声で返事をして彼の目をまっすぐ見る

パチッ

彼と目が合った