「なぁ、萩花」
「なに?」
「今から出かけるから着替えろ」
むくっと起き上がりながら言って
着ていたTシャツを脱いだ。
な、何してるの…!?
急に裸になんてならないでよ!
「ど、どこに行くの?」
「それは聞くな。
さっさとしないと置いてくぞ」
慶さんから視線を逸らす。
だって…上半身裸の慶さんは
まだ見慣れていない。
程よくついた筋肉が…
もう死ぬほどカッコいい。
はあ、朝から鼻血が出てきそう。
「えぇ…!
てか、あたしの前で着替えないでよ!」
本当になんの躊躇もなく脱いじゃうんだもん。
そんなことされてドキドキしないわけないじゃん。
「はぁ?まだそんなこと言ってんの?」
呆れたように言ってるけど
あたしにとって慶さんの上半身裸は心臓に悪いの!
頬を赤くしているあたしを面白く思ったのか
何なのか顔を耳元にずいっと寄せて
「…いつか全部みるのにな」
なんて、意地悪っぽく囁いた。
その囁きはあたしの鼓動を
加速させるには十分だった。