私は未成年、中卒の警察官!
それでも事件を簡単解決!
私の夢は、立派な警察官になること。
私若いから、警察官だって一般人は信じてくれない。
あら、双子誘拐事件が終わってすっきりしたと思ったけど?
今回も事件解決!
最近、よくキレイな女性を見る。
今日も見かけた。
彼女は交番の前に立っていた。
いつも警察署や交番の前にいる。
何か困っていることがありそう。
あいかわらずキレイ。
今日は水色のワンピースに、白いサンダル。
頭には白に青い水玉のカチューシャ。
耳には紺色ガラスのピアス。
漆黒のロングヘアが風でなびく。
化粧はしている。
赤いリップとチーク。
明るめのファンデーション。
目はぱっちりメイク。
化粧で作っているのか、もともとなのかはわからないけど、鼻が細く高い。
なんか見た目からすると、お金持ち?
これから夜仕事するような?
かなり目立つ。昼のファッションとはいえ言いがたい。
なんか気になる。
仕事中よく見るから。
時間があったら、声をかけよう。
私は先輩で警部の田橋さんに、その女性について説明した。
「あやしくないですか? 警察署や交番前うろうろしまして。」
「確かにそうだ。だが、うーん。」
「声がけしたほうが……いいような。」
「その女性、新しく採用された交番勤務のヤツの交際相手かもな。無視しろ。」
「えー! あっ、すみません。」
この会話がなかったら、世界は変わる。
あの女性、後輩の彼女?
私は、絶対違うと思う。
身の危険を感じて、警察官の前に立って、事件とか起きてもすぐ警察官が見て助けてくれると考えた?
私は、女性に声をかけなかったことを後悔してしまう。
最近、地元で小規模なミスコンがあった。
アイドル活動をしている20歳がトップが決まった。
それが問題。
トップになった人が、あの美人さんではないか!
びっくりした。
名前は羽柿 璃倫さん。
変わった名前。
ハガキ リリンさんと読む。
ハーフかも。
日本人顔っぽくない。
確かに私が18年で見て生きたなかで、いちばん美人。
ミスコントップにふさわしい。