始業式から1週間たった。

最近は、クラスにも慣れてきて友達もできはじめた。

蓮斗とも少し仲良くなったし。

それに私の横の席の、豊永 直哉(とよながなおや)とも仲良くなったんだ。

直哉は、幼なじみなんだけど、ここ何年かは全く喋らなかった。

でも、すごく仲良くなって...ちょっと気になってたりする。

蓮斗もそれに気づいているのか、気をつかって、私と直哉が喋っている時は邪魔しなでくれるんだ。

ちなみに蓮斗と直哉はお母さん同士が友達で2人も小さい時から仲良しだったんだって。

直哉と蓮斗ってどっちもカッコよくて、2人が一緒にいるとキラキラしてみえるんだよね。

しかも直哉ってちょっと、ほんわかしてるから見てて癒されるし。

そんなことを考えながらボーッと直哉のことを見ていると、蓮斗と目が合ってしまった。

すると、蓮斗はじぃーっと見つめてくる。

「...なによ。」

「...歯に、のりがついてるけど。」

え!

「ほんとに!?」

「うん。」

「うわぁ。確認しないと。」

ちょうど休憩時間だったので、手鏡で歯をチェックすると、本当にのりが付いていた。

「もう!さいあくぅ!」

1人で手鏡に向かって文句を言っていると、蓮斗に笑われた。

「なんなのよ。」

「別に?ただ、あんたの顔がおもしろくて笑ってただけ。」

「失礼な!おもしろくなんてないから!」

「いやいや。」

蓮斗とこんなやり取りをしてるうちに1日が終わった。

あぁ。直哉とも、もっと会話したかったな。

明日は今日よりもっと話せるよう頑張ろ。