「真波!大丈夫か?」



バンッと、車のドアを閉める音と同時に、走ってくる足音と声。


甘くて愛しい

あの声。



「マサくぅん…。」


「あーあ。擦りむいて。走るから…。」


「痛いよぉ…。」


私は涙目でマサ君を見上げる。



「お母さんの言うこと聞かなかった真波が悪い。」


そう言うと、優しく微笑みながら、私の頭をクシャクシャっと撫でてくれた。



「ふえーん。ごめんなさぁい。」



そう言って、マサ君に抱きつこうとした時


「真波これ。」


ママが絆創膏と消毒液を持ってやって来た。



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