放課後、部活動見学が始まった。




とりあえず文化部から見ていこうと思いながら教室の窓から外を見ると



成瀬くんと渚くんが、もうサッカー部へと見学に行っていて部活へと参加していた。





すごいな、もう高校の先輩と打ち解けてる。





「見とれてるところ失礼しま〜す!」


「ひゃ!冷た!」



私の頬っぺに冷たい缶ジュースをくっつけてきたのは凛くんだ。





「なになに?君も成瀬ファン?
悲しいなー、俺みたいなカワイイ子嫌い?」



ウルウルとした瞳でこちらを見てくる凛くんは可愛い。ものすごく!!





「嫌いじゃないよ〜」


「ふふ、愛ちゃんありがとう!」




そういいながら凛くんは自分の缶ジュースを空けてゴクゴクと飲んだ。



私も凛くんが買ってくれた缶ジュースを飲む。
オレンジジュース。
甘酸っぱい



「ジュース、ありがとう」


「いいえ〜、恋のお悩み?甘酸っぱいね〜と思ってオレンジジュース♡」



「ゴホッ!」


喉に詰まらせた、、、




「やっだ、愛ちゃん大丈夫?笑
お悩み、聞いてあげよっか?」



「凛くんはさ…眺めてるだけでいいと思った恋ってある?」




ふと思ったことを質問してみた。




「なにそれ、成瀬くんのこと?
確かにハードル高いもんね〜」




「ゴホッ!」



「あはは!2回目〜笑」



2回もオレンジジュースを喉に詰まらせた私は分かりやすすぎた。




「んー、俺は追っかけた恋なんてしたことないしむしろ追っかけられる側なんだけどね?」



なんか腹立つな、おい。



「ハードル高いから眺めてるだけでいいって、それほんと?どこかで自分に酔ってない?告白なんて無理だから私見てるだけでいいの!みたいな。」



「うっ、、、心が痛い。」


何気毒舌な凛くん。





「ハードル高いって、それ自分で決めてるだけであって、恋にハードル高いも低いも無いんじゃない?
まぁ成瀬はどうか分かんないけど☆」




なるほど…、自分でハードル決めてる部分もあったかもしれないなぁ。





凛くんはエスパーかっての!
私の思ってることどんどんズバズバ言ってくるじゃん。




「あはは!俺エスパーかもって?
ウケる〜愛ちゃんウケる〜!」





「嬉しくない。」




さて、少し気が楽になったから帰ろっかな。




立ち上がろうとしたその時



「ねぇ愛ちゃん。部活動何に入るか迷ってるならいっそサッカー部のマネージャー希望したら?そしたら成瀬とグーンと近づけるチャンス!」




凛くんのアドバイスに固まる私。




「む、無理無理無理!だって、」


「ほら、そういうとこ。なんでも試さなきゃ、行動に移さなきゃ、近付かなきゃ何も無いままで終わるよ?成瀬のこともっと知りたいと思わない?」





「それは…」




「ほら!今からでも希望しに行きな!」



「はい!かしこまり!」



凛くんの圧に押されて私はグラウンドに向かった。