朝、起きると、キッチンからいい匂いがしてきた。

「おまえらー飯できたぞー」

ハルヤさんの声だ。

階段を下りていく足音が聞こえる。

どたんっ

ん!?

『どうしたの!?』

「いってぇ…階段から落ちた…」

そこにいたのは寝ぼけたカナタだった。

『立てる?』

「お、おまえ、バカにすんじゃねぇぞ。
 これくらい平気だし…」

そう言いながらも立ち上がろうとしないカナタ。

足をおさえている。

『あんた、ちょっと見せなさいよ。』

そう言って、強引にカナタの手をどかすと、

カナタの足は赤くなって、はれていた。

『腫れてんじゃん。
 ほら、肩かすから、つかまって。』

「いいって…」

『よくないでしょ!』

思わず大きな声を出してしまった…

「しょうがねぇな、つかまってやるよ…」

なぜ上から目線!?

納得はいかなかったけど、

とにかく私はカナタをリビングまで引っ張っていった。