「はい!完成!」


お姉さんが言うがままに浴衣を着て、お化粧してもらって、髪を結ってもらって…


鏡を除くと、自然と声が出た


『わぁすごい…』


「とっても綺麗ですよ!
彼も喜んでくれますよ♡」


だ、だから彼ってなんやねん…


ガラっ


ドアが開くとそこには、
浴衣をきたカナタがいた。


「お、いい感じになってんじゃん。
ありがとうございます、こんな別人みたいにしていただいて」


ペコっとカナタが頭を下げる。


「ここにお金置いときますね。

はよ行くぞアホ。」


そう言って、ふわっと体を持ち上げられた。


こ、これは…


お姫様抱っこ!?!?


いやいや、人前で!?

お姉さんの方を見ると、

「ありがとうございました、お幸せに♡」

笑顔で手を振ってる。


お、お姉さぁーーーん…!!



『お、下ろしてっ…』



「お前逃げるだろ?」

カナタがまるでお見通しかのように私の顔を見て言う。

なんでわかったの…


『なんで、こんなことするの?』


「俺がそうしたかったから。」



わぁ、俺様モード全開だぁ…